


INTRODUCTION
埼玉に住む17歳のクルド人サーリャ。
すこし前までは同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた。
あるきっかけで在留資格を失い、当たり前の生活が奪われてしまう。
彼女が、日本に居たいと望むことは“罪”なのだろうか――?
「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人。埼玉県には2000人ほどのコミュニティが
存在するが、クルド人が難民認定された例はこれまでないに等しい。そして、本作の企画が動きだした2017年
当時より、出入国管理及び難民認定法(入管法)を巡る状況は、悪化の一途をたどっている……。
この現状を、17歳の少女の目線を通して描いたのは、是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」に在籍する新鋭・川和田恵真監督。イギリス人の父親と日本人の母親を持つ監督が、成長過程で感じたアイデンティティへの想いを元に、理不尽な状況に置かれた主人公が大きな問題に向き合う凛とした姿をスクリーンに焼き付け、本作を企画段階からサポートした是枝監督の『誰も知らない』(04)の系譜に連なる“日本の今”を映し出した。
主演は、5カ国のマルチルーツを持ち、ViVi専属モデルとして活躍する嵐莉菜。現役高校生である彼女が、主人公サーリャが抱く複雑な感情を、デビュー作とは思えない堂々とした演技で、みずみずしく体現。そして、サーリャが心を開く少年・聡太役を『MOTHER マザー』(20)で多くの新人俳優賞を受賞した奥平大兼が演じ、次世代を担う感性豊かな俳優たちと、新鋭監督とのフレッシュなタッグが実現した。さらに平泉成、池脇千鶴、藤井隆、韓英恵、サヘル・ローズらが、この新たな才能を支えている。
また、主題歌「N e w M o r n i n g」を書き下ろしたのは、注目のアーティストROTH BART BARON。スタッフに『ドライブ・マイ・カー』(21)の撮影・四宮秀俊、美術・徐賢先らが参加。そして、日本初の栄誉となる第72回ベルリン国際映画祭/アムネスティ国際映画賞スペシャル・メンションに輝き、世界からも大きな注目を集めている。
すこし前までは同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた。
あるきっかけで在留資格を失い、当たり前の生活が奪われてしまう。
彼女が、日本に居たいと望むことは“罪”なのだろうか――?
現代社会の矛盾を
とても美しく映画らしい構成で物語にした
力強く語った作品
とても美しく映画らしい構成で物語にした
―――― ベルリン国際映画祭
世界中で起こりうる出来事を、力強く語った作品
―――― アムネスティ国際映画賞
嵐莉菜の魅力的な演技は特筆すべき
―――― THE FILM VERDICT



STORY
17歳のサーリャは、生活していた地を逃れて来日した家族とともに、幼い頃から日本で育ったクルド人。
現在は、埼玉の高校に通い、親友と呼べる友達もいる。夢は学校の先生になること。
聡太は、サーリャが初めて自分の生い立ちを話すことができる少年だった。
ある日、サーリャたち家族に難民申請が不認定となった知らせが入る。
現在は、埼玉の高校に通い、親友と呼べる友達もいる。夢は学校の先生になること。
父・マズルム、妹のアーリン、弟のロビンと4人で暮らし、家ではクルド料理を食べ、食事前には必ずクルド語の祈りを捧げる。 「クルド人としての誇りを失わないように」そんな父の願いに反して、サーリャたちは、日本の同世代の少年少女と同様に“日本人らしく”育っていた。
進学のため家族に内緒ではじめたバイト先で、サーリャは東京の高校に通う聡太と出会う。聡太は、サーリャが初めて自分の生い立ちを話すことができる少年だった。
ある日、サーリャたち家族に難民申請が不認定となった知らせが入る。
在留資格を失うと、居住区である埼玉から出られず、働くこともできなくなる。
そんな折、父・マズルムが、入管の施設に収容されたと知らせが入る……。



CHARACTER

クルド人の高校三年生。
夢は学校の先生。
嵐 莉菜
PROFILE »

サーリャのバイト先の
同僚。高校三年生。
奥平 大兼
PROFILE »

サーリャの父。サーリャが
幼い頃に日本へ移住。
アラシ・カーフィザデー

サーリャの妹。中学二年生。
日本語しか話せない。
リリ・カーフィザデー

サーリャの弟。小学二年生。
内向的な性格。
リオン・カーフィザデー

サーリャのバイト先のコン
ビニの店長。聡太の叔父。
藤井隆

聡太の母。
一人で聡太を育てる。
池脇千鶴

ロビンの小学校の教師。
韓英恵

サーリャの高校の担任。
板橋駿谷

サーリャの高校の同級生
新谷ゆづみ

サーリャの高校の同級生
さくら

クルド人。
サーリャを気遣う。
サヘル・ローズ

サーリャ家族のため
奮闘する弁護士
平泉成
DIRECTOR

監督・脚本 / 川和田恵真
1991年10月15日生まれ、千葉県出身。イギリス人の父親と日本人の母親を持つ。早稲田大学在学中に制作した映画『circle』が、東京学生映画祭で準グランプリを受賞。2014年に「分福」に所属し、是枝裕和監督の作品等で監督助手を務める。本作が商業長編映画デビューとなる。2018年の第23回釜山国際映画祭「ASIAN PROJECT MARKET (APM)」で、アルテ国際賞(ARTE International Prize)を受賞。
MUSIC

音楽/ROTH BART BARON
主題歌「N e w M o r n i n g」
ROTH BART BARON(ロットバルトバロン)は、シンガーソングライターの三船雅也が中心に集まる日本のインディーロックバンド。これまでに4枚のEP、5枚のオリジナルアルバムを発表している。フジロックやサマーソニック、ライジングサン、ビッグマウンテン(タイ)、PLAYTIME FESTIVAL(モンゴル)などアジアの大型フェスにも出演。4thアルバム『けものたちの名前』は、アジアン・カンフー・ジェネレーション・後藤正文が設立した<Apple Vinegar Music Award>で大賞を受賞。5thアルバム『極彩色の祝祭』収録のリード曲「極彩|IGL(S)」は、テレビ朝日系「関ジャム∞完全燃Show」番組内にて音楽プロデューサー・蔦谷好位置の年間1位に選出。
STAFF
撮影:四宮秀俊
照明:秋山恵二郎
音響:弥栄裕樹
美術:徐賢先
装飾:福岡淳太郎
衣裳:馬場恭子 中村祐実
ヘアメイク:那須野詞
編集:普嶋信一
カラリスト:アレクサンドラ・ポケ
ダビングミキサー:グザヴィエ・トュラン
キャスティング:森万由美
クルド監修:ワッカス・チョーラク
助監督:森本晶一
制作担当:藤原恵美子
照明:秋山恵二郎
音響:弥栄裕樹
美術:徐賢先
装飾:福岡淳太郎
衣裳:馬場恭子 中村祐実
ヘアメイク:那須野詞
編集:普嶋信一
カラリスト:アレクサンドラ・ポケ
ダビングミキサー:グザヴィエ・トュラン
キャスティング:森万由美
クルド監修:ワッカス・チョーラク
助監督:森本晶一
制作担当:藤原恵美子


PRODUCTION NOTE
- 企画のはじまり
- オーディションでの運命的な出会い
- 撮影前におこなわれたワークショップ
- 心を震わせたクライマックスシーン(※ネタバレあり)
- フランスとの共同制作

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